求名菩薩偈-妙法蓮華経・序品

訓読文

是この妙みょう光こう法ほっ師し、時ときに一ひとりの弟で子し有あり。心こころ常つねに懈げ怠たいを懐いだいて、名みょう利りに貪とん著じゃくせり。名みょう利りを求もとむるに厭あくこと無なくして、多おおく族ぞく姓しょうの家いえに遊あそび。習しゅう誦じゅする所ところを棄き捨しゃし、廃はい忘もうして通つう利りせず。是この因いん縁ねんを以もっての故ゆえに、之これを号なづけて求ぐ名みょうと為なす。亦また衆もろもろの善ぜん業ごうを行ぎょうじ、無む数しゅの仏ほとけを見みたてまつることを得え。諸しょ仏ぶつを供く養ようし、随ずい順じゅんして大だい道どうを行ぎょうじ。六ろく波は羅ら蜜みつを具ぐして、今いま釈しゃく師じ子しを見みたてまつる。其それ後のちに当まさに作さ仏ぶつすべし、号なをば名なづけて弥み勒ろくと曰いわん。広ひろく諸もろもろの衆しゅ生じょうを度どすること、其その数かず量はかり有あること無なけん。彼かの仏ほとけの滅めつ度どの後のち、懈げ怠たいなりし者ものは汝なんじ是これなり。妙みょう光こう法ほっ師しは、今いま則すなわち我わが身み是これなり。

語釈